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小説の後書きとかいい訳とか。あとは雑記。
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「よいお月さまですねぇ」
 響きの好い声だった。
 くすりと喉を振るわせる笑いをこぼして、男が振り返る。
 赤みの強い大きな真円の月が、振り向いた男の顔を暗く沈める。
 革手袋に包まれた手が、喉元をまさぐり、手繰りだしたのは、鈍く光を放つロザリオだった。
 十字に交差した中央に紅玉の薔薇が埋め込まれたそれに、紅玉に劣らぬ色を宿した男のくちびるが軽く触れた。
「聖母の御加護を」
 一陣の風が吹き、たっぷりとしたコートをはためかせた。
「それでは、お仕事とゆきましょうか」
 言うなり、男は、そこからダイブした。
 二十階建てのビルの屋上から、わずかの逡巡すらみせずに飛び降り、何事もなかったかのように、端然と立つ。
 その姿は、まるで、サーバルキャットのような優美さである。
 獰猛な力をその細身の体躯の奥に潜めた、野生のハンター。
 見るものを惹きつけずにはおかない、そんな天性のオーラが、しかし、すっと、消えた。
 明るい月夜の、少なく深い闇の底に、男が溶け込んだかの錯覚があった。

 甲高い犬の鳴き声が聞こえる。
 何かに怯えたような、威嚇するかのような、声である。
 赤い月の下、不吉に伸び縮みする影があった。
 何かを捜し求めるかのように、蠕動を繰り返しながら、進んでいる。
 それには、手も足もなく、見ようによっては、鎌首をもたげた巨大なアナコンダに見えないこともない。
 日本の住宅地に、直径五十センチはあろうかという大蛇がいるという違和感を除けば――である。
 それが動くたびに、犬の鳴き声が、大きく小さく、グラデーションをおびる。
「うわっ」
 思わずといった風情で、学生服を着た少年が、その場に立ち尽くした。
 ぶるん――と、蛇もどきの影が、少年に顔を向けた。
 どんよりと濁った両眼が、少年を捉える。
 震える少年に先までとは違い一気に距離を詰めたそれが、口だろう部位を上下に大きく割り裂いた。
 どろり。唾液が滴りおちるのを、少年は、ただ、見ているだけだった。
 逃げられなかったのだ。
 あまりにも、非現実的な光景に、自分の身に突然迫る、死という現象の具現化したものに対して、頭が思考を拒否したのに違いない。
 唾液が少年の制服を容易く溶かす。
 強い酸性なのだろう、唾液が落ちた部分の布地が溶けてゆく。
 ちりっとした熱が、肌を焼いた。
 喰われる。
 しかし、足は、アスファルトに張り付いたようになっている。
 生臭い息が、少年の鼻腔いっぱいになる。
 嘔吐きあげそうな、異臭に、少年の顔が、歪んだ。
「見つけましたよ。召喚獣2098」
 静かな、深みのある声が、その場の緊張した空気を震わせた。
「手間をかけさせずに、さっさと召喚者の元に戻りなさい」
 濁った目が、美声の主に向けられた。
 今にも少年を喰らおうと大きく開いていた口がそのままに、動きが止まる。
 その身体が、ぶるぶると細かく痙攣し始めた。
 ずるり――と、それが大きくなったかの錯覚に、少年はその場に腰を落とした。
 気が遠くなりそうだった。
 このまま気絶して食べられたほうが、いっそのこと楽なのではないか。
 そんな気がするほどの不快感に捕らわれながら、呆けたようになって見ていた。
 こんなこと、現実じゃないんだ。
 大きく割り広げられた口が、今にも自分を飲み込みそうな近さで動きを止めている。
 滴る唾液が地面を溶かし、湯気となって異臭が鼻を突く。その少し手前に、銀のナイフが三本突き刺さっていた。
「なにをしているんです」
 降ってきた声に隣に立つ人影を見上げれば、

「召喚獣は、君など二口あれば、食べてしまいますよ」
と。
 食べられたくなければ、逃げなさい。
 そう言われても。
 足にも腰にも、力が入らないのだ。
「君、もしかして、腰が抜けたんですか」
 どこか呆れたような声のトーンに、首から上が熱を帯びた。
「しかたありませんねぇ」
 緊迫した状況を楽しんでいるかのような軽い口調だった。
「うわっ」
「終わるまでここにいてくださいね」
 月を斜交いに、彫の深い顔が影を宿す。
 その少し垂れた目が、ウィンクを投げかけたかと思えば、少年は、先ほどの場所からさほど離れてはいない家の屋根に移動していた。
 ごつごつとした瓦屋根の感触が、やはりこれが夢ではないのだと、少年に痛いほど教えていた。


 たっぷりとしたコートの裾が優美に翻える。
 月光を弾いて光る銀のナイフがその周囲に円を描いた。
 どこから取り出したのか細長い剣を、無造作な跳躍で召喚獣よりも高くに飛び上がり、頭頂部に突き立てる。
 それだけで、身震いするほどに不気味だったものは、のたうちながら、その姿を少しずつ小さくしてゆき、最後には、跡形もなく消えたのだ。
 後には、そんな闘いがあった気配すら残ってはいない道に、細身の男が、すらりと立ち尽くしている。
 ただ異質なものは、その手に握られた細長い剣ばかり。それを男が一振りするや、剣すらもどこかに消えうせた。
 少年は、ただ、魅せられたように、その光景を一部始終見ていたのだ。
 男は、少年を屋根から下ろすと、
「内緒ですよ」
と、片方の口角をもたげて笑うと、どこかへ去っていった。
 礼を言うのを忘れたと、少年が気づいたのは、ずいぶんと後になってからのこと。
 不気味な姿をした召喚獣に、再び襲われた時だった。
「また君ですか」
と、おかしげに小さく笑った男が、その獣を消してのけた後のことだった。


 

おわり

 と、まぁ、BLとも思えないSSを一話アップしておきます。一月に一回はここに足跡を残しておきたいので。
 一応BLのつもりなんですけどね。
 主人公らしい戦う青年を書きたかっただけなんですが。
 巻きこまれがた被害者の少年は~以降も何度も青年と出会うんです。ライトノベルじゃお約束vv かな? 最近読んでないからなぁ。
 気づいた方が楽しんでくださいますように。
 そのうちサイトのほうに移しますが。
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アップ日 2009年10月11日(ブログアップ日 2009年09月29日)
原稿用紙換算枚数   13枚

 ブログからサルベージでアップです。
 少しだけ手直ししましたが、大筋は弄れません。根性無しです。
 なんというか、軽めのコメディと思いつつ読んでると最後でああなるというvv
 なんといいますか。
 「果てのない夜」に似てますか。微妙に違うといえば違いますが。書く人間が一人ですからねぇ、そうそうバラエティには富めないというのが本音です。―――見も蓋もないですがxx
 異世界召喚物をよそさまで読んでいて思いついてしまったのでした。あ、まねっこはしておりません。念のため。
 異世界召喚好きなんですけどね。招かれる側があまりに持ち上げられすぎると萎えてしまうというのは、るう子が性格悪いからなのか。所謂マンセーとか言うのが苦手なのでした。だからといって、主人公を落としてしまうというのも問題かもしれない。
 少しでも楽しんでくださると嬉しいです。
 アップ日 2009年10月07日
 原稿用紙換算枚数  13枚

 人魚姫とシンデレラを足して弄くったみたいな話です。
 るう子が書く受けのお約束として、不憫であることには変わりありませんが、玉の輿ですから許してもらいましょう。
 おそらく、魔王さまの一目惚れだと思われます。

 少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

「あれ?」 
 ふと気がつくとまったく知らない場所にいた。 
 いや、まぬけな台詞だけど、マジだったりする。 
 まえにテレビで見たブラックオパールのような空は、よくよく見れば、葉の茂りでさ。 
 どうやら、オレはどこぞの森か林か山か、そんなところにいるらしい。 
 有名な自殺の名所じゃなければ、ま、いいか。 
 そのうちどっかに辿り着くだろう。 
 いたって暢気に構えてしまった。 
 う~ん。どうやらそれは、ここが現実味に乏しい場所だからかもしれない。 
 夢かもしれない――――。 
 それがオレの本音だったりするわけだ。 
 えと、オレの名前は―――――――と、考えてちょっと焦った。 
 思い出せないんだもんよ。 
 いくら夢でも自分の名前を思い出せないってことがあるか? 
 首をひねる。 
 でも、ま、いっか。 
 オレってば、どうやらとことん楽天家らしい。 
 あまり人が踏み分けた気配のないところなのに、すいすいと歩く。 
 う~ん。 
 石とか木の根とか邪魔になるのがないんだよな。 
 地面も平坦。 
 まるで現実を知らない子どもが画用紙に描いた絵みたいな感じ。 
 下生え自体根っこがあるのかないのか、邪魔にはならない。 
 蛇もいなけりゃ虫とかの気配もない。 
 そういや、鳥とか小動物の姿もないような………。 
 楽に歩けるのはいいんだけどさ。 
 獣に出くわさないのも助かるんだけどさ。 
 そんなことを考えながら、結構歩いたと思う。 
 いきなり視界から木々が消えた。 
 と思うと、そこは一面の緑の野原だった。 
「うわあ」 
 こんなとこで昼寝したら気持ちよさそう。 
 そよ風に吹かれて、緑の草がさざめいてる。さざめく葉は太陽を反射して、きらきらと輝く。 
 けど、この草原も、なんだか変だった。 
 しゃがんですかしてみたけど、デコボコがないんだよな。 
 ほら、犬とかの排泄物がある所は、ない所より草が成長してたりするじゃん。それがない。 
 まるで誰かに管理でもされてるかのように、ぜ~んぶ同じ背丈なんだ。 
「放牧地か?」 
 いや、それだと放されてるモノがいないのがおかしい。 
「草刈場?」 
 そういうのがあるかどうかは知らないが。だとしても、デコボコはある気がする。 
 それになにより、一種類しか草がないみたいにも見えるんだ。 
 それに、やっぱり、羽虫とかが飛んでいない。 
 管理されつくされた実験場なんだろうか? 気持ちがいい場所なのに、なんだか無機質だ。 
「ちょ~っと薄ら寒いかな」 
 シャツの上から腕をさすった。 
 その時だ。 
 馬の蹄が地面を蹴るような音が聞こえてきた。 
 音のほうを見れば、小さな点が段々大きくなってきた。 
 ゴマが豆に、豆がトマトに、トマトがメロンに…………そうして、見る間に、目の前に五騎の人馬が立っていた。 
「遅くなって申し訳ありません」 
 馬から下りた西洋の騎士めいた服装をした男が、オレの前に、膝まづく。 
 なんだかどっかで見たような気がする顔ぶれだ。 
「王がお待ちでございます」 
 オレの頭の中は疑問符でいっぱいだ。 
 え~と。 
 これは。 
 この状況は。 
 もしかして。 
 なんだろう。 
 変なデ・ジャ・ヴュめいたものが湧いてくる。 
「そうだ!」 
 オレは手を打った。 
「異世界召喚っ!」 
 そう。 
 そうだ。 
 ライトノベルとかファンタジーとかでお約束のあれだ。 
 とすると、オレは、勇者………だろうか。 
 オレが剣を手に、魔物と戦うのか? 
 オレが? 
 ひょろりと力こぶも情けない腕を見た。 
 魔法が仕える? 
 手を振ってみる。 
 指を擦り合わせてみる。 
 何も起きない。 
「何をなさっておいででしょう」 
 おそるおそるといったように、騎士がオレに話しかけてきた。 
 バツが悪くなって、 
「あ、なんでもない」 
 笑ってごまかす。 
「それでは、どうぞ、私の馬に」 
 迫力のある馬にどうにか乗ったオレの後ろに、騎士がひらりと飛び乗った。 
 
 それから何が起きたかというとだな。 
 お約束といえばお約束。 
 でっかい城に連れてかれたオレは、謁見の間かどこかで、王を待ってるのだった。 
 たしか王がおまちです――って言わなかったか? 
 まぁいいけどな。 
 オレを連れてきた五人の騎士以外はだれもいない。 
 閑散とした城だ。 
 そう。 
 城に来るまでも、ほかにひとの気配なんかなかった。 
 これ、ほんとに、国なんだろうか。 
 不安だった。 
 うん。 
 薄ら寒い。 
 やがて、五人が膝まづいたので、オレは人が入ってきたのに気づいた。 
 三段くらい高くなってる玉座に人が座っている。 
 天井のステンドグラスから色とりどりに染まった光が降り注ぐ。 
 黒い衣装を身にまとった黒い髪の男がオレを見ている。 
 その薄い色のまなざしに見つめられた瞬間、オレはからだが傾いでゆくような気がしたんだ。 
 そう。 
 その色の薄いまなざしにオレは捕らわれてゆくような錯覚を覚えていたんだ。 
「さあおいで」 
 落ち着いた深い声がオレを呼ぶ。 
 けれど、オレは動けなかった。 
 少しでも動けば、この場に倒れてしまいそうだった。 
 黒い衣装の袖から、白い手がオレに差し伸べられている。 
「私の魔王よ」 
 魔王? 
 オレが? 
 王の声が、頭の中で高く低く鳴り響く。 
 オレがその場から動かないのに焦れたのか、王が玉座から立ち上がり、オレの目の前にやってきた。 
 王はオレを抱きしめた。 
 そうして。 
「ようやく捕まえた」 
 オレの耳元で言って、クツクツと笑ったのだ。 
 
 
 
「先生っ」 
 電気ショックで患者のからだが大きく跳ねる。 
 繰り返し鳴り続ける電子音は次第に忙しなさを増していた。 
 
 
 
 そのひとは、しずかに目覚めた。 
 薄暗い室内は、ここから出ることができない彼のために居心地好くしつらえられている。 
 成人することは難しいだろうと生まれたときに医者に言われた彼は、それでも生と死の間を行きつ戻りつしながら、二十歳を越えた。 
 からだを起こして、ふっと微笑む。 
 それだけで、青ざめた白皙に色艶がやどった。 
 時計の針がそろそろ午後五時を指そうとしていたからだ。 
 もうすぐ彼がやってくる。 
 誰もいない自室に、彼の独り語散る声が流れて消えた。 
「幸せな夢を見ていたような気がします」 
 ベッドの上に起き上がりさらりと前髪が目にかかったのを邪魔そうにかきあげる。 
 そう。 
 それは、幸せな見果てぬ夢。 
 愛してやまない三つ年下の幼馴染の夢だった。 
「愛しくて憎い、魔王のような君をやっと僕だけのものにすることができた…………」 
 色の薄いまなざしが、夢を反芻して眇められる。 
 無邪気で明るい幼馴染に、どれだけ救われ、あこがれたことだろう。 
 彼のように丈夫になりたいとの思いはいつしか、彼への思慕に変化した。 
 それでも。 
 同性という事実を差し引いても、自分が彼には相応しくないことはわかっていた。 
「ですから。夢の中で君を僕のものにするのくらい、許してくださいね」 
 毎日一度は自分のところに顔を見せる幼馴染に、そっと謝罪する。 
 
 彼は知らない。 
 彼の焦がれる幼馴染がほんの少し前、事故にあったことを。 
 幼馴染の命が風前の灯であるということを彼が知るのは、今しばらくしてからのことである。 
 

 

17:49 2009 09 29
19:50 2009 09 29

アップ日 2009年09月26日
原稿用紙換算枚数  12枚

 同名のタイトルの矢寿馬視点の話。

 保護されてた間の小噺。
 あそこは、オジサン(矢寿馬)保護しないと駄目でしょうって設定ですよね。
 なんといいますかオジサンの内心も少々複雑かもしれません。そんなことで妬いたら大人気ないと思いつつ、樹くんを好きであればあるだけ気にならないこともないのかも。
 自分以外を知らない樹くんに自分以外が触ったと思うと、かなり気になるかもしれません。樹くんに対して怒りはないですが、それでも、妬くんでしょうね。複雑なxx
 でも、そんなことで責めたら駄目という認識もある。
 怯えて震えてる樹くんが可哀想で可愛くてどうしようもないって感情が渦を巻いてそうです。でもって、自分にすがり付いて大声で泣く樹くんが大事すぎて、抱き上げて運ぶんですよ。誰にも渡しません。お風呂も自分で入れますよ。全身拭いて、ベッドに横たえて、ホットミルクか何かを飲ませて、鎮静剤もついでに与えて。樹くんが眠りに落ちてから、お医者を呼ぶのでしょうね。お医者に一応診察はしてもらわないと駄目だと思いますしね。しかし、るう子の書く話に医者はどうやらつきもののようです。
 ともあれ、夜はちゃんと添い寝ですvv 壊れ物です! お姫さまです! 掌中の珠ですね~オジサンにとっては。やっぱり、老いらくの恋………ぽそり。
 オジサン、基本デスクワークなんですから! 腰大丈夫ですか。心配なるう子です。ま、まぁ前にもお姫さま抱っこしてますけど、状況が違うと微妙に違う気がしますし。樹くん170センチはあると思うので、172~177のどこかでしょうか。体重もそれなりにあるはず。一応痩せぎす設定ではありますが(あの不憫さを考えるに、ぽっちゃりってイメージじゃないし。)、50キロそこそこということはないと思います。60くらいはあるのじゃないかと。180センチで70キロが痩せぎすって(とあるドイツの映画に)ありましたからvv

 こんな感じで盛り上がってできた話です。
 少しでも楽しんでくださると嬉しいです。

アップ日 09年09月21日
原稿用紙換算枚数 20枚

 どうにか樹くんの救出が済みました。
 というか、救出シーンはまるっと無視で。
 おじさんが珍しくやさしいかなと思ってたら、ああですからね。
 別に英語のタイトルにする意味はないのですが、そのまま「思う壺」というのも、芸がないかなと。それだけの理由です。
 翻訳サイトじゃ思う壺は、expectations しか出てこなかったのですが。期待――じゃ、微妙に意味が違うので、辞書を引いたら、こんなのがあったのでとりあえずそちら。これも違ったらどうしよう。
 自業自得を、for it と did it で勘違いする魚里だからなぁ。ぜんぜん違う。
 ともあれ、一人勝ちのおじさんと、自分で自分の首を絞めちゃった樹くんの対比を楽しんでくだされば。
 いつものごとく不憫な受けですが。

 桜さんのマネージャーの陰謀に乗っかって、樹くんってば、逃げようと思えば逃げれただろうに我慢してたみたいです。
 けど、おじさん絶対、薄々とはいえ気づいてましたよね。

アップ日 09年09月01日
原稿用紙換算枚数 22枚

 自覚のない魔性の少年の話。
 自覚がないため、周囲に振り回された挙句、ドツボに落ち込んでしまう羽目に。
 悪いのは誰でしょうね。
 奉行か、飯塚か。
 高見少年には、一切その気はありません。
 しかし、江戸時代の念者のありかたって、結構謎です。
 結構おおっぴらだったりするのかなぁ。
 あまりおおっぴらだと萌えないんですけどね。
 なにごとも秘めてこそ! です。
 最後の最後に出てきた医者が実はラスボス設定なんですが。
 ばらしちゃうと、悪所の親玉なのでした。ということで、高見少年のこのあとはかなり悲惨だというのがお分かりかと。
 すっきり!
アップ日 09年08月23日
原稿用紙換算枚数 36枚

 シリーズ『貴』の『焔』のその後。
 織衛君は溺愛されまくりで過ごしてるかなという話ですが。
 なんとなく事件が置きそうなイヤな予感もあるような。
 太智花さんがいればほぼ大丈夫だとは思われますけどね。
 人間世界には、対 鬼、奇 専門の対策部署があるのだよというのを書きたくて捏造した一本。
 一応、忌課強行犯係の面々は精鋭部隊ではあるのです。
 織衛君は、貴の間じゃ貴重品――ではあります。品物扱いじゃないですが。
 貴珠を人工的に作るという謎の組織がどうやらあるようです。人間ですかねやっぱり主犯は。

 フェレットだかイタチだかの絡む小噺も捏造しかけてたのですが、ちょっと、没。

 忌課強行犯係は、最初、特撮風にする予定だったのですが、特撮は小学校以来見た記憶がないため、無理でした。結局なんちゃって刑事物となったという。
アップ日09年08月17日
原稿用紙換算枚数 19枚

 魔王とその伴侶(自覚はないな)と女王とその恋人の話。

 るう子の精神がいがいがしていたときに涌いた1本。
 コメディを目指したのですけどね。
 ひたすら綿綿と焦ってるラック少年が可哀想かな。るう子の描く受けの少年は、必ず割り食います。でも、まぁ、魔王様に溺愛されてるんですよね。自覚ないだけで。おそらく、ラックくんは、自分は魔王の奴隷だ~というくらいの認識しかないでしょう。
 不憫なのに名前がラックというのがあまりにとってつけすぎですが。たまにはいいかな。
 女王様たちの幸せと対比できてるといいなぁ。
アップ日 09年08月23日
原稿用紙換算枚数 13枚

 『艶体詩』の元バージョン。
 こっちのほうが雰囲気としては、まぁまぁかもしれない。
 これを引き伸ばしてああなりました。
 結構遠医師が割り食いまくり。一番悲惨なのは、彼かもしれません。
 せっかく生まれ変わったのだから、過去の轍を踏んでほしくない。しみじみと。
アップ日 09年08月07日
原稿用紙換算枚数 13枚

 就眠儀式のその後。ただし、数百年後で、第三者視点。
 鳩子ちゃんとかからして、時代は昭和中期くらいかもしれない。
 ラブラブな竜と伴侶。
 でも、竜は、独占欲いまだ健在。
 結構初々しいままの伴侶。

 タヌキの千畳敷は、大叔母の体験談を借用。
連載期間 09年07月20日~09年08月05日
原稿用紙換算枚数 135枚

 100枚越えの話。

 捕らわれの人外美形の竜と、小国の人質の若者の恋愛物だろうか。
 ハッピーエンドです。
 これは、設定だけは高校時代から弄くり倒してたものだったりします。最初は三部作の予定だったもの。
 けど、他の二作は、挫折。
 結局、この話だけが生き残りました。
連載期間 09年06月27日~09年07月25日
原稿用紙換算枚数 75枚

 シリーズ『貴』の、『理想的な悪魔』のその後ということで捏造した話というか。リメイクしたというか。

 名前もつけてなかったような気がする二人の前世の話。
 過去世の舞台は明記することは避けましたが、一応 宋時代。南宋の可能性が大ですが、北宋でも別段オッケーです。いや、40年くらいの闘いと明記してるから、一応南宋かな。まぁ、色々と時代考証からしたら不具合が発見されまくりなのは自明の理なので、いつの時代でもいいのですが。
 纏足が一般的に普及したのがこのあたりの時代というだけで選んだので。

 この語、蕭将軍は幽鬼となって戦場をさまよってるところをとある貴に気に入られて、貴の仲間入りを果たすのでした――――というのが、本当のオチなのですが、そこまで書ききるには西夫人の一人称なため無理だったのでした。

 文体的にも、粗がありまくりで稚拙な1本。反省の余地が山ほどxx
アップ日09年07月18日
原稿用紙換算枚数 78枚

 単発の一番下にあるものの同名のタイトルの初稿がこれ。吸血鬼ってとこしか重なってない。
 最初は男女物だっただけに、少々粗が目立ちます。
 あまつさえ、父子相姦。
 このところこのパターンに嵌っております。
 少々ミステリ風味ですかね。
 るう子の場合は長く書けば書くだけ粗が目立ってしまう証明かもしれない。
アップ日 09年06月12日
原稿用紙換算枚数 47枚

 病気ネタで人外がらみの1本。
 ラストはハッピーエンド。
 それほど読後感は悪くないと思うのですが。
 少女漫画テイストで。
 元気いっぱいな男の子と影のある悪役タイプの美人さんをくっつけるのが好きです。もちろんそういう場合は、美人さんが責め。譲れない一線ですね♪
 タロットのスプレッドは、入門書と首っ引きですので、無理やりです。古いの引っ張り出してきたのでした。
アップ日 09年06月10日
原稿用紙換算枚数 27枚

 微妙にロリで鬼畜もの。血は繋がってないので、近親物とは言い切れない。
 最初は兄妹の男女パートが逆でした。うん。元々が男女物として書き始めた話。
 兄ちゃんがひたすらに可愛そうな目に合うだけといえば、だけなのですが。
 意味ありげに出てきたお客人。本当に救いの手となるのかどうか。―――そのつもりなんですけどね。
 一応ハッピーエンドだと。
 読後感は最悪な気もしますが。

連載期間 09年03月04日~09年04月19日
原稿用紙換算枚数  108枚

 珍しく100枚越えの話。
 結構試行錯誤して、最後の最後にこういう書き方になってしまった話です。
 最初からオイジュスはそういうラストになる予定でした。が、あれだけ引っ張って、すこーんと落として終わりというのは、書き方からして極道かもしれません。ま、まぁそういう書き方よくするので今更ではありますが。
 いつも以上に文章が粗い1本。

 一応父子相姦物。
 なんですが。
 オイジュスは、再会しても父親に対して肉親の情がなかなか涌かなかったので、あまり、父子相姦という意識はないかもしれません。それでもしてはいけないことをしているという意識だけはきついので、ああいう感じに壊れるのでした。一応は正気っぽいですが、追い詰められて精神崩壊しつつあったのですね。
 それは、父親にしても同じかもしれません。なかなか自分に対して心を開こうとしないオイジュスに切れた挙句の暴挙です。
 
 ちなみに、オイジュスの名前は、『神統記』byヘシオドス の中から拝借しました。
 お兄ちゃんが、王様に騙されずに残っていたら、少しは違うながれになったはずでした。

アップ日 09年5月31日
原稿用紙換算枚数 9枚

 されてるだけの話。しかも相手は真山センセ。

 救いがくるのかどうか。いや、こないと話になりませんが。
 おじさんなにやってるんだ~xx
 それにしても。
 おじさんにされるところをしっかり描写したことないのに、なんでよりによって真山センセにされるところをるう子にしてはしっかり描写したんだろう。
 早く助け出してあげたいのは山々なんですけどね。色々修正中なのでした。
アップ日 09年5月28日
原稿用紙換算枚数 14枚

 真山センセ登場です。
 噂どおり、樹くんに惚れてる模様。ですが、それやったら犯罪です。

 樹くん、やっと17歳になりました。いままで16歳だったんですね。冬生まれか。結構おじさんに餌付けされてるようです。することは嫌いですが、しかたないかなぁって感じですかね。

 腕時計はこのあとちょっと別の事件にからんできます。その予定。
アップ日 09年5月21日
原稿用紙換算枚数 9枚

 久しぶりの佐々木君と井上さんでした。このふたり付き合ってたりするのかな? 仲いいよなぁ。しかしこのふたりが付き合ってたら、最強のカプだよな。樹くん振り回されるの確定。

 樹くんの微妙な心のうちですかね。

 佐々木君にとって、桜さんは崇拝の対象。グラビアのおねーさんは萌えの対象のようです。
 腐女子向けの漫画、平気で読む佐々木少年。井上さんに感化されまくり。いっそふたりでコミケとか行ってください。
アップ日 09年5月16日
原稿用紙換算枚数 9枚

 言うまでもなく『ハプニング』の後です。

 間の悪い樹くんです。
 お約束満載のお仕置きですが。
 ひたすらタイミング悪く海棠さんをあおっちゃって、自業自得。
 ぐだぐだですね。
 でも、樹くんは、実際悪くないと思われます。
 なのにあんなことされたり言われたりしたら、樹くんじゃなくても切れますよね。
 ひたすら独占欲にかられまかりのおじさんと、間の悪い樹くんでした。
アップ日  09年5月13日
原稿用紙換算枚数  9枚

 所謂はってんば――がどうなってるのかは、寡聞にして知りません。
 この話の舞台は、男たちの隠れ家的なバーかなと。
 一晩で三万円というのが相場なのか高いのか安いのか。微妙?
 どちらにしても、そんなところで恋人(確定)を見てしまっては、黙っていられないでしょう。なんせ、樹くんが押しに弱い性格だということは、重々承知の海棠さんなのですから。自分の意思で来た訳ではないと知っていながら、怒りにかられてるおじさんでした。
 学生時代の友人は、バイなんですね。うん。名前も出てませんが。この後出るかどうかも謎ですが。彼は外国在住で、一時帰国してるという設定はあります。気難しいおじさんの気の置けない友人です。悪友か親友か微妙なスタンスかな。
アップ日 09年5月10日
原稿用紙換算枚数 9枚

 『待ち人来たりて』は、おじさんの目論見でしたってだけの話。

 待ち合わせをして、自分を待ってほしかったのね。でも、一時間待たせますか。帰られてたらどうしたんだろう。ちょっと怖い。
 井上さんとの和気藹々の会話は、樹くんへの独占欲の証だった模様。こんだけ仲いいんですよ~と、見せ付けたかったのね。
 青少年と付き合ってると精神年齢も若くなるのかな。ま、若作りするタイプではないですけどね。
 で、内心は、嫉妬してる大人気ないおじさん。
 嫌がる樹くんを定宿に連れ込んで、お仕置きなのか………。若いな、おじさんも。
アップ日 09年5月9日
原稿用紙換算枚数 8枚

 新たな登場人物。井上さん。彼女は、言うまでもなく腐女子です。はい。

 海棠さんの内心は、この次の話『花』で。

 樹くんは、ほぼ無意識に囲われてます。諦めてるというか。認めてるというか。でも、基本、SEXは嫌いです。そういうのに興味も感心もある年齢のはずなのに、おじさんに囲われちゃってるおかげで、苦手意識が強くなってる不憫な子です。いっそ一生SEXしなくてもオッケーという、るう子の書く枯れちゃった受けの子のお約束。その分責めのおじさんが元気いっぱいです。

アップ日 09年5月3日
原稿用紙換算枚数 19枚

 『虎』の後日談。で、完結編。シリーズ化に分類したわりにはあっさりエンド。

 登場人物に名前がついてない話。
 理由は、まぁ、なくても話として成立したからではあるのですが。
 一番の理由は、単に、中国風のネーミングが苦手だからって言うだけです。

 虎たちの首領は、少年を愛してはいるのでしょうが。本性が獣ですからね。欲望に忠実って言うだけかもしれない。
 で、まぁ、人間に仇なしてる物の怪ですから、神さんに退治される憂き目にあいます。
 少年に罰を課すのは、行き過ぎでしかないので、助けるつもりではあるのですが。
 神さんって結構容赦ないからなぁ。
 虎 vs. 神 のシーンは割愛。
 虎は負けます。お約束。
 邪魔だとばかりに投げ飛ばされた先に水晶の結晶があって、それに貫かれるって――――少年は不憫でしかないですね。
 最後の最後、虎が告白してますが、さて。
 巨大な洞窟がふたりの墓石となりました。
 かわいそうなだけの話ですね。

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