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小説の後書きとかいい訳とか。あとは雑記。
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 アップ日 2010年 4月10日
原稿用紙換算枚数     5枚

  ひさしぶりに短編を一本アップ。

ちょっと〜雰囲気だけ過ぎますけどね。
シリーズタイトルの“ほむら”最初は漢字で”焰”だったのですが、うちのタグ打ち用ソフトがその漢字を認識してくれないので、ひらがなに開きました。
ううう。
エンコードエラーになるんだもん。
いろんな自由さはWindowsのが上かなぁ。

ともあれ、目が覚めた織衛くんが夜桜見物にお出かけです。
今回は太智花さんの視点だけなので、織衛君の思考はまるっきりなしということで。
太智花さん視点は、甘いですvv

タイトルは大仰ですが〜「はなびら」ってタイトルよりは雰囲気があるかなとvv それだけの理由で選びました。

少しでも楽しんで頂けると嬉しいな。
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  不死魔殿ってなに?

工藤は、「ふしまでん」って呼んだけど、もしかして、「ふしまどの」なの?

いえ。これが、小説に出てくるなら造語だなぁと突っ込みはしませんのよ。それ以前に工藤の全く知らない単語と言うこともあり得ますけど〜。そうだったら赤っ恥ですが。


問題は、地方紙のコラムに出てたので、気になって気になって。
結構高い地位のヒトが書いたようなコラムなんだけど。
ひらがなで「ふく」って書いたのの「く」の字が微妙で、「し」と判断されたのだろうか?
なんか試しにググってみたら、使ってたヒトもいたんだけどね。有名なレポーターか誰か。よく知らないんだけど。

伏魔殿か万魔殿の間違いな気がしないでもないんだけどなぁ。
気になる。
 を飼う夢を見た。

赤毛のちっこい長毛種の子猫。
抱き上げると、工藤の肘の内側をお乳の代わりに吸うのでした。

しかし、名前つきですかぁ。
いいけどね。

 
 少なからぬひとの足音の合間に、ひそやかに、間遠な鈴の音が、聞こえる。
 ゆるゆると木々の合間に見え隠れするのは、松明に灯した臙脂色の火の色である。
 白装束をまとった十人の若衆が、輿を担いで山道を登っていた。
 輿に乗せられているのは、やはり白装束をまとった、十五、六に見える少年だった。
 見るものが見れば愛しいと思うだろう、それなりに整った造作の顔は、青ざめ、朦朧としているようである。
 それもそのはず、少年――藤沢透――は、後ろ手に縛められ、輿に乗せられている。彼の後ろには、意識のない従者がふたり、折り重なるように倒れている。そのほうが、いっそ、幸いなのかもしれなかった。
 黒い瞳が、ゆるゆると、熱に浮かされたように、揺らめく。年に似合わぬ諦観が、透の瞳には、刷かれていた。透が瞳に映しているのは、ただ、重なり合う梢のあいまに見える、十六夜(いざよい)の月だった。
(凉也―――)
 透は、弟の名を、心の中でつぶやいた。
 
 
 藤沢の荘の荘園領主には、異母兄弟がいた。
 兄を透、五つ違いの弟を凉也といった。
 透の母親は、透を生み、ほどなく姿を消した。それは、不思議なことであったが、元が流れの巫女(みこ)であったということもあり、自由が恋しくなったのだろうということで、おさまった。後添いの妻は隣の領主の娘ということもあり、それに、長子――透があまり丈夫ではないということも知られていたため、藤沢の跡継ぎは、弟だろうという空気が、領主の館の中にはただよっていた。
 そんな空気の中にあって、今年十五を迎えた長子は、ひっそりと、母屋とは庭を挟んでわずかに遠い離れの棟で日々を過ごしていた。
「兄上!」
 丹念に彫り上げられた若武者人形のような顔をほころばせて、凉也(すずや)が駆けてくる。
 大きな瞳が、きらきらと輝く。
 それがあまりにも眩しすぎて、思わず透は視線をそらせた。
 そんなことなど気にかけることもなく、透の暮らす棟の濡れ縁に腰を下ろし、凉也が懐から、蒔絵作りも美しい、横笛を取り出した。
「はい。兄上」
「なに?」
 思わず 凉也の顔を見返した。
「この間、笛をなくしたって言ってたでしょ、だから、これ」
 差し出された横笛は、しかし、
「おまえ、これは、確か、頂きものだったろう。僕は貰えないよ」
「僕はどうせ笛へただしさ」
「凉也」
「だって、兄上に吹いて欲しいだけなんだもん」
 そう言って顔をゆがめる弟に、逆らえるものなどいるだろうか。
「わかった」
「じゃあ」
 凉也の顔が、たちまち明るくなる。
「でも、もらえない。借りるだけだ。凉也の好きなのを、好きなだけ吹いてあげる。だから、これを貸しておくれね」
 ぷうとふくれっつらをしかけた凉也の顔が、再び満面の笑顔に変わった。
「うん」
 弟のまぶしい笑顔を、透は目を眇めて眺めやる。
 どだい、この屈託のない少年を嫌えるものなど、いないのだ。
 自分だとて、どれほど、この母親違いの弟のことを大切に思っているかしれやしない。そう、誰にも好かれる弟を、羨ましいと思うことはあっても、決して、嫌ってはいない。
 凉也にせがまれるままに、一曲もう一曲と、笛を吹く。
 自分になにかとりえがあるとすれば、それは、笛を吹くことくらいだろう。そんな透の鬱屈が曲に現われるのか、ともすれば、笛の音は、沈みがちだった。
 
 透に養子の話が持ち上がったのは、その年が明けてしばらくしてからのことである。
 遠縁の荘園領主の跡継ぎとして、この家を出てゆかなければならないというのだ。
 透には、反論する気は毫ほどもありはしなかったが、お兄ちゃん子である凉也にしてみれば、耐え難いことであったのだろう。
「兄上っ」
 濡れ縁から駆け上がってきた凉也が、
「なんでだよ! この家を継ぐのは兄上に決まってるじゃないか」
 声を荒げて、透に詰め寄る。
「だって、父上と母上が」
「イヤだって言えばいい」
 地団太を踏まんばかりの凉也のようすに、透は、ふっと、笑った。凉也ならば、そう言うだろう。言って、両親も、考え直すのに違いない。けれど、自分は――
「無理だよ」
 自分のところに話が来るころには、それは、既に決定事項なのだ。凉也とは違い、自分の意見など、聞き入れられた記憶もない。
「!」
 透の笑顔になにを感じとったのか、凉也の顔が強張りついた。
 ふと、両肩に、凉也の陽に焼けた手がのせられた。
「凉也?」
 見上げる透のくちびるに、凉也のそれが重なったのは、ほんのわずかな間のこと。
 驚き目を見開いた透に、
「僕は、兄さんが好きなんだ」
 凉也は、透を抱きしめた。
 それは、決して、あってはならないこと。
 実の弟が、実の兄に、愛を告白するなど、ひととして許されることではない。
 だから、透は、すぐにも養子に出たいと、父に申し出たのだった。
 透と一緒に供としてあちらの荘園へと行くのは、ふたり。あちらにゆけば、すべてはあちらが用意して待っているとはいえ、それは、あまりにも少ない頭数だった。
 
 透を主(あるじ)とする総勢三名は、その二日後、夜陰に乗じて屋敷を後にした。
 あまりに寂しい出立ではあった。
 寡黙な主従は、それより三日後に、とある村に差し掛かった。
 どことなく落ち着きなくざわめいた村に、三人は、宿を借りることになった。
 村をぐるりと囲い込む柵の外からでも、あまり陽気とは感じられない興奮が、感じられ、できれば素通りしたかったのだが、わらわらとまとわりついてきた子どもたちを追い払うこともできず、村に引き込まれたのだ。
「祭ですのでご遠慮なさらず」
と、のっぺりとした顔の村長のことばに、なにがしかの不安がなかったといえば嘘になるだろう。
 しかし、透は、妙に押し出しの強い村長に、断りきることができなかったのだ。
 そうして、透の不安は的中する。
 夕餉の席で、まずは従者二人が昏倒し、透は捕らえられた。
「申し訳ございませんなぁ。………今宵は、大切な、百年に一度の大祭なものでして。客人(まろうど)どのに、我らが神の贄(にえ)になっていただかねばならぬのですよ」
 ひやりと冷たい笑みをたたえた、半白の髪ののっぺりとした男が、縛められた透の頬をその手でぞろりと撫でさすった。
 無理やり嚥下させられた、生臭い草の汁のせいで朦朧となった透は、そのまま禊(みそぎ)をさせられ、白い着物に着替えさせられた。
 篝火がたかれた村の広場で、神主に、なにやらわからぬ祝詞(のりと)らしきものをふるまわれ、透は輿にかつぎあげられた。
 ちりん――――と、古びた金の鈴が音をたて、それが合図であったのか、若い衆がぐっと一歩を踏み出した。
 
 
 黒々とした影を田畑に落とすその山は、足を踏み入れようとするものたちに心理的重圧を抱かせる。
 風が吹きはじめていた。
 雲が追いやられ、月の光を幾度もさえぎる。
 ざわめく木々のこずえが、ありえない化け物の影を、地面に投げかける。
 行きたくない――と、背筋を這い上がる拒否感がぞろりと全身に絡みつき、いやな汗がにじむ。
 それでも、これは、欠かせぬ奉納の儀式なのだ。
 しかも、百年に一度の、闇の大祭。
 欠かせぬのは、生きたひと。
 毎年の贄なれば、家畜を差し出すが、今年はそうもゆかぬのだ。
 彼らが神は、血を、殊(こと)に、ひとの血肉を、悲鳴を、何よりも好んだ。
 だから、彼ら若衆は、輿の上の贄を彼らの聖地である山の中腹へと運んだ後、死に物狂いで逃げなければならない。でなければ、彼らもまた、神の贄となりかねない。
 村長に受けた説明を、若衆たちは思い返しつつ、山を登りつづける。
 そうして、やがて、十六夜の月に照らし出された、聖地に到着した。
 急峻な山肌が迫ってくる、細い道の行き止まりに、ぽっかりと開けた空き地がある。その行き止まりには、黒々とした洞窟が、口を開けていた。
 空き地の中央に、注連縄(しめなわ)の巻かれた、黒光りする丸くたいらな台がある。
 台の上四箇所と、台の足元に四箇所、銅製なのか、青く錆を吹いた輪が穿たれていた。その輪に、生贄を縛めるのだと、知れる。
 若衆たちは、手際よく、ことを進めた。
 透は、飲まされた護摩汁(ごましる)に半ば意識を絡めとられている。そんな彼を台の上に縛めるのに、さしたる手間はかからない。
 透の従者を、また、彼らは、台の下の輪に、縛りつけ、異国風の響きの祝詞を、唱えはじめた。
 詠唱は、風や木々の悲鳴に不意にかき消されながらも、聖地に満ちていった。
 そうして、どれほどの時間が過ぎただろうか。
 生臭い風が、化け物の顎(あぎと)のような洞窟の奥から噴出した。
 ぴたり――と、十人の若衆たちの声が、あわせたように途絶えた。
 一様に青ざめた顔を見合わせ、じりと後退する。
 手にした刃で、生贄に傷を負わせることすら忘れ、彼らは、ひときわ生臭い風が吹き出したそのとき、後も見ずに、逃げ出したのだった。
 
 
 白銀の光が、はるか上空から、このさまを見ているのに気づいたのは、はたして、いたのだろうか。いたとするなら、聖地に封印されている、当の神であったろう。しかし、村人により神と呼ばれているそれは、一年に一度の、そうして、百年に一度のご馳走に、すべての意識を絡めとられていた。
 飢えのゆえに、その神は、白銀の光の存在を意に介さず、無造作に、その食卓に姿を現わしたのだ。
 ぬらりと吐き気をもよおす臭気をまとい棲み処から現われたのは、なんとも曰く言いがたい、触手の化け物だった。
 おびただしい数の、粘液を滴らせる赤黒い触手が、ゆらゆらと、次いで、信じられないほどの速さで、意識を失ったまま縛められている、従者の一人を絡め取った。
 無造作に、男を縛めている縄ごと、凄まじい勢いで引きちぎり、持ち上げる。
 その衝撃に意識を取り戻した従者は、己の状況に、悲鳴をあげた。
(な、んだ?)
 透の意識が現実を認めたのは、まさに、従者の爆(は)ぜるような悲鳴のためだった。
 手と足を大の字に縛められ、自由になるのは首から上だけという、あまりといえばあまりな自分のありさまに、透の血の気のない顔が、引き攣れた。
 細い手首と足首に食い込むほどの縄が、透に千切れようはずもない。
 必死に頭をもたげて状況を確認した透は、悲鳴をあげることすら忘れて、ただ眼前の光景を、その両眼に映していた。
 魂消える絶叫とともに、従者の手足が引きちぎられた。
 ぼたり――と、従者の血しぶきが、透の全身をしとどに濡らした。
 
 二人目の従者が、骨の折れる気味の悪い音ととともに潰されてゆくさまを、透は、見ていた。
 全身は瘧(おこり)にかかったように震え、ぬめる血に、脂汗が、にじむ。
 なぜ、どうして、自分が、自分の従者たちが、こんなことに巻き込まれるのか。
(すまない………)
 自分についてきたばかりに。
 あやまっても、彼らが許してくれることはないだろう。
 恨まれても、当然に違いない。
 流れる涙は、彼らに対する謝罪からのものなのか、純粋な恐怖からのものなのか、透にはわからなかった。
 
 
(でも、すぐに、僕も………)
 現実のこととは思えない恐ろしい化け物と、今まさに食われようとしている、肉の塊と化した二人目の従者を、透は、呆けたように見上げつづけた。
 次は、自分だ――。
 逃げるすべすら奪われて、こんなにも非力な自分が、助かるはずもない。
 ぐしゃり――と、身の毛のよだつような音がして、ゆらりと血と粘液とにまみれた触手が、透のすぐ目の前に、迫っていた。
(ああ……………)
 目を閉じることすらできない。
(凉也)
 自分を慕ってくれた弟の名を、呪いかなにかのようにつぶやき、透は、ただ、迫り来る触手を、凝視しつづけていた。
 と、不意に、一陣の風が吹き、その場の吐き気をもよおすような臭気を吹き払った。
 そうして、まばゆいばかりの白銀の光が、透の目を灼いた。
 
 
 知り合いのところからの帰りだった。
 一瞬で住処に戻ることができる佐久良であったが、その夜は、好みに合った酒の余韻を楽しみながら、夜風に吹かれて帰ろうか―――との、まさに酔狂で、夜空の散歩としゃれこんでいたのだ。
 心地好い酔いに身をまかせてどれほどが過ぎたころだったろうか。
 ふと、佐久良の鼻腔を、不快な匂いが満たした。
(これは――)
 知らぬ匂いではない。
 だからといって、親しい匂いではないが。
 それは、どちらかといえば、対立する存在の匂いだった。
(このようなところに)
 佐久良の秀麗な眉間に、くっきりと縦皺が刻まれる。
 ひとの目にはかからぬだろう上空から、佐久良は、眼下を見晴るかした。
 そうして、
「ふん」
 黒い石に括りつけられている、ひとりの少年が、彼の興を惹いた。
 青ざめ、震えている、白い顔。今は血に汚れているが、汚れを拭えば、線の細い、やわやわとした、愛らしい顔が現われるだろう。
 私のいる真下でいい度胸だ――と、考えていた佐久良だったが、この瞬間、彼は心を決めたのだった。
 
 
 周囲が焼け焦げる凄まじいばかりの異臭に、意識を手放しかけていた透は、目を開いた。
 とっさに閉じたとはいえ、目はまだ映像を結ばない。
 しばらく瞬きを繰り返し、ようやく見ることができたのは、黄金色のまなざしだった。
 信じられないくらいに整った、白皙の美貌に、流れ落ちる滝のような、銀の髪。
 知らず、透の全身が、がくがくと震えた。
 眼前に、自分を見下ろしている美男が、ひとならざるものであると、透の本能が、告げていた。
「あ……ありが…………」
 金のまなざしが、自分から離れない。
 その密度の濃さに、透の声が、尻すぼみに小さくなってゆく。
 と、やはり優美な先細りの指が、伏せた透の頤(おとがい)に添えられ、持ち上げられた。
「名は?」
 無造作な、それでいて玲瓏と響く声に、透は、意識せず名を告げていた。
「透か。私は佐久良だ」
「え? あ……」
 気がつけば、透は、はるかな高みに、佐久良と名乗ったひとならざるもの――神に抱かれて、夜空に浮かんでいた。
 あまりのことにうろたえおびえる透に、
「慣れろ」
と、短く言ってのけ、佐久良は、その場から姿を消したのである。もちろん、透もともに。
 
 
 次に透が気づいたとき、そこは、まるで見知らぬ場所だった。
 ゆらゆらと揺れる蝋燭の光。
 薄ぼんやりとした灯りに照らし出されているのは、
「神さま」
 白銀の神が、透のこぼしたことばに、ふっと笑った。
「私のことを神と呼ぶか」
 金の瞳が、面白そうに、透を見下ろしていた。
 自分が神の膝に抱かれていることに気づき、透が真っ赤になる。
「ぼ、僕を助けてくださいました………」
「そうか。だが、私のことは、佐久良と呼べ」
「佐久良さま……」
「さん――で、いい」
「佐久良さ……ん」
「そうだ。透はいい子だな」
 なぜとはわからず、透が落ちつかなげに身じろいだ。
  刹那、降ってきたようなくちづけに、透が、硬直する。
 二度目のそれには、もちろんのこと凉也のようなたどたどしさはなく、透は抵抗することすらできぬままに、甘んじて、佐久良を受け入れたのだ。
 
 
 静かな屋敷には、ひとの姿もない。
 白木の欄干に胸をあずけて下を覗き込めば、そこには清らかな小川が流れている。川の中には、小魚や昆虫の姿が見える。ほとりには、水仙が咲き乱れている。たまさかに、庭に植えられているあまたの白梅の香に誘われたのか、鶯が鳴き交わす声ばかりが、せせらぎに混ざって、耳にやさしい。
 透のすべてが佐久良のものになって、わずかに十日ばかり。
 今日は、佐久良は、不在だった。
 佐久良は、やさしい。
 そう、あの得体の知れない化け物を瞬時に滅ぼしたほどの力を持ちながら、佐久良が透に酷い扱いすることはなかった。
 もちろん、あの行為そのものは、透にとって、苦痛であり羞恥のきわみでこそあったが、嫌悪感はなかった。
 ほんの戯れに――おそらく、それこそが真実だろうと透は思っていたのだが――自分を救ってくれた神に、すべてを捧げることは、ある意味法悦に近いものですらあったのだ。
 透は、満たされていた。
 ただ、気がかりがあるとすれば、それは、父でもましてや継母のことなどではなく、ただひとりの、弟のことであった。
 弟を避けるように旅立って、半月ほど。当初の予定であれば、養家に疾うについていなければならない。
 自分たち――ふたりの従者のことを思えば、胸が痛む――が着いていないことが、もう、藤沢の家に知らされているころだろう。
「凉也………」
(寂しがっていなければいいんだけれど)
 透の薄いくちびるから、吐息がこぼれ落ちた。
 そのとき、透の頬に、熱風が薙いだかの錯覚が襲い掛かった。
 したたかに、床の固さを味わい、透はぶれる視界を懸命に見開いた。
 そこには、
「佐久良さ……ん?」
 これまでにない厳しい金のまなざしが、透を見下ろしていた。
 なにが起こっているのか、透にはわからない。
 ただ、佐久良は、無言のまま透の襟元を掴み、立ち上がらせた。
「誰だ?」
 食いしばった佐久良のくちびるから、低い声音が、押し出された。
「?」
 突然の佐久良の変貌に震えながら、透は、佐久良を見上げるよりない。
 自分の何が、神の逆鱗に触れたのか、透には、わからないのだから。
「凉也とは、おまえの、なんだ?」
 目を覗き込むようにして、搾り出された問いに、透の震えがおさまる。
「……凉也は、僕の、弟です………」
 答える声は、か細い。
「弟?」
「はい。母親の違う、弟です」
 おそらく、自分がなぜ怒ってしまったのか、この少年にはわかっていないのだろう。あどけないような表情で、自分を見上げる透に、ふっと、佐久良の強張った表情がほどけた。
 おそらくは、自分を知る誰に語ったとて、一笑にふされることだろうが、自分は、この子供を一目見て、惹かれたのだ。
 自分のものにしたい――と。
 だからこそ、あの忌々しい化け物から救い出し、独りになりたいときに使っているこの空間に招き入れまでしたのだった。
 その少年の口からふいにこぼれた未知の名を見過ごしにできるほど、自分は心が広くはないのだ。
「僕が、養家に着いていないことを知ったら、弟は悲しむかなと思ったんです。あの、佐久良さん、僕が生きていることを、凉也に知らせては、ダメですか?」
「文を書け。届けさせる」
 佐久良のひとことに、透の頬にうっすらと、佐久良が張ったのとは違う血の色がのぼった。
「ありがとうございます」
 その表情が、なんとはなく色っぽく思えて、佐久良は、
「ただし、それ以降、おまえのこのくちびるが綴っていいのは、いいか、私の名前だけだ」
 付け加えずにいられなかったのである。
「………」
「わかったか」
「はい……」
 ふたりの視線が、からみあう。
 佐久良は、透にくちづけを落とし、透は、それを、おとなしく受け入れた。
 
 静かな空間の中、川のせせらぎと鶯の鳴き交わす声に混じって、あえかな吐息が、花開きこぼれた。
 
 
 それからしばらくして、眠る凉也の枕元に、兄からの文が届けられた。
 
 
おしまい
  言論統制するつもりかねぇ。そう言うことするより他にやることあるだろうに。

ま、まぁねぇ、過激な描写は多いですが。
ボーイズラブとかって名指しですかxx でもなぁ、たしか大阪もコミックマーケットとか開催してたような。違ったっけ?
実害あるのかなぁ。
ペドよりは少ない気もするが。
なんと言ってもボーイズラブを楽しんでるのは基本女性だし。
過激な性描写はたしかに、まぁ、年齢がなぁとは思わないでもないですが。
性描写を初めて読んだのって、小学校のときだったなぁ。ドキドキしたけど別にいやらしいとか思わなかったが。ま、『風と木の詩』でしたけどね。いや、『変奏曲』が先かなぁ?
ともあれ、表現の自由を規正するのはどうかと思いますよ。うん。
  最近激嵌まりちゅうの『日本漫画昔ばなし』をようつべさんちにお邪魔してかけながしながら、『ドツボ』21回目にチャレンジしておりました。
や、おかげで頭が痛いというか、眼精疲労というか。
これぞ、自業自得vv

『牛の宮』という一本がありまして、なんともしんみりと見ておりました。
年端もゆかない少年が住み込み奉公する話なんですが〜みんないい人ばかりなんですよね。誰も少年を虐めない。それどころか育ち盛りはひもじかろと、夜なべ仕事に差し入れくれる。ううむ。和む。
しかし、年端もゆかない少女の住み込み奉公はあんなに悲惨な話が多いのに。少年だとどうしてこう感動的にしんみりする内容なんだろう。ま、まぁ、死にネタというかなんというかではありますが。
これもある種の男尊女卑なんだろうか?
よくわかりませんがなんか、しんみりしちゃいました。

 
『猿神退治』の犬の名前は二通りあったそうで、しっぺいたろうと早太郎の両方とも正しいようです。
ラストは〜アニメじゃぼかしておりましたが。
やはり、はかなくなったそうです。
それもいろんな説がありました。
何とも可哀想でけなげなワンコです。
昔話の犬の鏡とでも言うべきなのかなぁ。
昔話に出てくる犬は、得てして鑑的な存在ばかりですけどね。
sakura040402.jpgsakura30402.jpg








sakura50402.jpg










あいにくの空模様ではありましたが、桜を見てきました〜♪
明日になったら桜どころじゃない人出かなと。
雨がぽつぽつ降り始めてましたが、霜注意報なるものが発令されたので、霜枯れになられたら見れないなぁと、決行。
綺麗でした。

自己満足でいいのだよ♪
  最近、突然、DSソフトの英検に嵌ってます。
三週間目突入かなぁ。
でも、ただ今伸び悩み中vv
幸いなのは、高校時代からさして能力に差がないこと。
ま、まぁ、現役を退いてからかなり時間が経ってますから御の字か。だいたい、学生が終わってからというもの英語って、DVDか、たまに引っ張り出すミステリの原書くらいなもので、没頭なんかしなかったからなぁ。
それにしても、時間が経ってるだけに、工藤が習ってた訳と微妙に違う和訳の単語やら熟語があったり、漢字で書けば混乱しない単語をひらがな表記にしていてピンと来なかったりするのがあったりして、なんか頭をひねることが多いです。
意地悪問題なのかなぁ。
単に工藤が鈍いだけかもvv

7471b64f.jpeg古い写真ですが、在りし日のロイ。まだ工藤の家にきてどれほども経っていない頃なので、ぴかぴか。
親バカと言われてもいい!
愛してたんだよ〜♪ 今も愛してるvv この思い、重いか? ごめんよ。



猫の写真の横で犬の話。
漫画日本昔話に「しっぺいたろう」というのがありまして、これはカエルの王子みたいな日本バージョンの話ではありますが。しっぺいたろうって名前の犬に記憶があって、確かこの話と、『猿神退治』を確認したのだけど、早太郎になってた。あれ? 信州信濃の光善寺シッペイ太郎に知られるな♪ だったと思ってたんだけどなぁ。単なる記憶違いか?
 いろいろあるんだ〜って判っていても、ちょっとショックだなぁ。
もういい加減落ち着きたいんだけどね。
歳も歳なんだからさ〜。

と、書けばおそらくヘビーなないようになりそうなので、パス。

ああ、犬が飼いたい。
  ケンビキ風邪の気配が漂っております。

喉が変ですし、肩が凝ってます、でもって、奥歯のところのハブが腫れている。
こりは〜、気をつけなければ。
ケンビキ風邪ひきそうです。
風邪は喉から来るタイプなので、気をつけないと〜といいつつ、いつも気がつくときにはアウトだったりするのが困りもの。
  どうにかこうにか、『どつぼ』をアップ。
ただし~原稿用紙換算にして9枚程度という短さ。
湊くんはほぼ登場しておりません。あくまでアドニスのままだしね~。ねてるし。
えと、前々から出るだけは出ててオリバーという名前しか出てなかった支部長さんのフルネームがどうにか。
オリバー・イングロリア。なんか名前負けしてそうな名前ではあります。メインじゃないしね。でもとりあえずチョコチョコ出てくるので、フルネームを出しておこう。イタリア系の名前は、頭の中にほぼないので四苦八苦です。
なんだか、ますますエンリケが天然になってきてるような。その分、クリスが~かっこ良くなってる? 再登場は予定のうちです。あのまま逃がしただけじゃデッドエンドってクリスには判ってますからね。
湊くんに至ってはおそらくパジャマのままだし、エンリケも資金がおそらく足りないというか、カードを使うとすぐ足がつくものね。換えの服もいるでしょうし。潜伏先も必要です。
この後どうするかで、おそらくまた、エンリケの思いもよらない天然ぼけが発露しそうでヒヤヒヤしてる工藤です。もそっとクールビューティーな予定だったんだけどなぁ。どこで狂ったのかって、19回目かxx
それでは、少しでも楽しんで頂けますように。
  寒いけどね。
ちょ〜っと画像が荒いですが、ご容赦。


cherryblossom.jpg出先で見つけた咲き初めの桜。
おそらくは、ソメイヨシノ。












magnoria.jpg我が家の玉蘭。























IMG_0001.JPG我が家の茶々丸。













IMG_0007.JPG工藤の溺愛を一新に受けてたロイ。
今はお星さまです。















 というより、ほぼネタはない。……文字サイズの変更が利かないxx
最近は、膝を悪くしちゃったので、妹宅のワンコと遊ぶのも自粛中。やって、大型犬二頭やもん。
ゴールデンとセッター。
めちゃくちゃ可愛いのは良いんだけど、遊び相手認定されてるもんだから、妹と離してて相手がお留守になると、ゴールデンのほうは甘噛みをきつくする。おかげで右手の親指の付け根、打撲になってます。まだ変色してる。
もちろんそういう時は叱るけどね。けど、根本がご陽気なゴールデンくんは、叱られてもあまり堪えないような? 腹が立つから、噛まれてる手を喉の奥に突っ込むのだ。噛むと不快なことをされるぞと刷り込むのが一番か。指輪を噛もうとするからなぁ。ちょっとNGだよん。
セッターくんはチョ〜っと後から来たゴールデンくんがちやほやされるので拗ね気味。なるたけ彼の相手をするようにはしてるんですが。ゴールデンのほうが甘え上手。ううむ。いかんともしがたいなぁ。
で、セッターを特別扱いと散歩したことあるのですが、その性で膝を痛めたんだと周囲からたしなめられ、散歩は挫折の工藤なのでした。ううむ。

  会社で使ってるデスクトップのキーボードが固い。
打ちにくい。
力を入れて打たないと、反応してくれないキーとかもあって、後になって打ち損じてる〜と、戦くことが何度も。
sigh.
D○Lのデスクトップのキーボードって、総じて固いよね。
隣り合ったキーが噛み合って変な音を立てることもあるし。こういう時って入力がやばい。
打っててイライラするんだよねぇ。
また家のキーボードが、打ちやすいだけに、なんと言うか……。
ノートパソのほうがキーボードは打ちやすいよね。うん。
あと、Macは楽だよ。滑らかだし、軽い。
手が小さい人間には楽なサイズだし。
比べたことないけど、やっぱり、サイズが微妙に違ってたりしそうなんだけど。どうなんだろう?
あと〜入力方式の変換が突然利かなくなる時がある。これは、まいる。仕事にならんもん。だいたい、工藤は、ローマ字入力オンリーなんだもんなぁ。日本語入力は、ちょっと齧ったけど、覚えてない。濁点やら色々悩んだんだよね〜。ローマ字入力の便利さよ♪ 基本だよね〜。昔は日本語入力のほうが推奨だったらしいですが。無理xx

とりあえず、愚痴でした。

e9c8a540.jpg
とりあえず愚痴ばっかりもなんなので、先日食べたうどんをアップ。
よく行く半セルフのうどん屋さんで人気のまかないぶっかけ。冷や。サイズは小。これで、500円也。
腰もあって、おいしいよん♪
 【非実在青少年に関する規制】というのがあるそうです。ええと、東京で何でも採決を待っていて、結局今現在審議継続とかなんとか。……詳しい方はめちゃくちゃ詳しいと思われますので、工藤が今更書いてもしかたないんですが。
これを言い出したのが、元小説家の政治家ってあたりが、釈然としないんですよね〜。
人間って変わるよな。
とはいえ、その政治家の小説を工藤は読んだことありませんが。読む気もないが。
一度は創作に携わった人間が、空想上の青少年の性だの暴力だのを禁止というか規正するという姿勢が、よくわからない。
所詮、タカ派というのは、権力を持つと何かと自分の権力を試したいばかりに規正とかを思いつくのだろうか。人間的に狭いと思う。でき悪い。
だいたい、フィクションというのと現実を混同すること自体がおかしいんだよねぇ。そりゃあ最近の漫画などの性描写は目に余る物がありますが。そういうのって飽きてくる物だと思うし。人間って、そう言うのばかりを追ってるわけじゃないと思うし。
なんつうか、ローマのコロッセウムで宗教弾圧でライオンに人を殺させたり処刑したりしたのを見せ物にしていた時代よりは、遥かにマシだと思うんだけどなぁ。って、比較対象がめちゃくちゃですけどね。自覚あります。それなら、まだ一世紀か二世紀くらい前の全世界でも処刑は見せ物だったってあたりとか? これはフィクションじゃなく現実だったわけで。こっちのほうがよっぽど人間に悪影響与えてたんじゃなかろうかとか。だから今じゃほとんどの国はこういうことをしていないはずなんですが。
悪影響を及ぼす物って、自然淘汰されると思うんだけどなぁ。ううむ何を書きたいのか判らなくなってきた。
ともあれ、検閲とか聞くと、どうにも第二次大戦中の軍部独裁というのを思い出して、すっごい不快感を覚えちゃうんですよね。いやだなぁ。自衛隊くらいの感覚が一番平和だと思う。って、日本人だからかなぁ。この感覚。
言論の自由というのを規正しようとする一部の政治家とか良識人というひとたちって、まっすぐな思考しかしていないのだろうか? ある意味不健全な思考を解消する方法が必要ないのかなぁ。気色の悪い。それとも、逆で、表だけが良識で裏を返せばよっぽど酷いことをしているとか? ううむ。だから、解消する必要がない? それはそれで……嫌悪感が泡立つが。

だんだん趣旨がらりって来たなぁ。
何が書きたいんだか。
とりあえず、政治家って何考えてんだかなぁってことかな?
時代が逆行するのだけは、勘弁願います。
ほとんどの人が読んでないだろうから、適当に思ったことを書いてるだけなんだけどね。

  いつもご来訪ありがとうございます。

って、ここ読んでくださってる方がいるのか、謎ですが。

一ヶ月ぶりに管理ページを開こうとしたら、パスワード忘れちゃったいxx
で、再発行願った物の、秘密のワードも忘れてるていたらく。
あせった〜。
記憶をたよりにあれこれ入れて、どうにか開くことができたのでした。
ううむ。
雑記を毎日いれるようにしたほうがいいだろうか。そうすりゃあ、忘れる暇もない。うううむ。
悩むなぁと言いつつカテゴリ追加したから。
しかたない。
日記にも使用しようvv
アップした話の数が把握しやすかったんだけどなぁ。忘れずカテゴリをわけないとvv
  とりあえず、ブログからサルベージしたのに加筆修正を加えてサイトにアップ。

ブログにアップしたときには登場しなかったおじさんと、樹くんのネーサンと義理の兄さんを登場させました。バカップルです。
ひとり冷めてるのが、史月くんのテンポ。
4歳かな?
グレもせずに成長してるのは、樹くんのおかげですよ。はい。

少しでも楽しんでもらえると嬉しいのですが。さて。
 <BR>
<BR> 
<BR>
「大丈夫でしたか?」<BR>
 月のない空の下、遠い常夜灯の明がかすかに少年を照らし出す。<BR>
 大丈夫ではないだろう。<BR>
 乱れた着衣が、物語るのは、少年が受けたであろう暴行の痕跡だ。<BR>
「だ、いじょうぶ。最後まではされなかった…………」<BR>
 震える手が、着衣を整えてゆくのを、エンリケは静かに眺めていた。<BR>
 こうして少年を身近に感じていられるのは、幸運なのか、不運なのか。<BR>
 まざまざと見せつけられた、ボスの少年に対する執着の凄まじさを思い返す。<BR>
 思い出すのは、少年の耳にピアスをつけたあの日の出来事だった。<BR>
 少年から立ちのぼっていた、体臭が甘くよみがえる。<BR>
 ボスに拘束されていた少年の痛々しいまでの震え。<BR>
 ただピアスの穴をあけるだけですよと、慰めてやりたかった。<BR>
 しかし。<BR>
 ボスの目は、よけいなことは口にするなと言っていた。<BR>
 震える少年の薄い耳たぶに手を触れた。<BR>
 そのとき、少年の震えが不思議に治まったのだ。<BR>
 おそらくはその事実が、ボスの逆鱗に触れたのだろう。<BR>
 そうして、薄々は彼の気持ちも、ボスは悟っていたのに違いない。<BR>
 あの手ひどい蹂躙のさなか、どれほど、「やめろ」と叫びだしたかったか。<BR>
 少年が微塵も快感を感じていないことが、見て取れた。<BR>
 喘ぎではなく悲鳴が耳を打った。<BR>
 感極まった顔ではなく、痛みに歪んだ顔が、その苦痛を伝えてくる。<BR>
 痛みを堪えようとソファの皮をかきむしる手の動き。<BR>
 引き連れるような足の震え。<BR>
 苦痛にのけぞる喉。<BR>
 食いしばって血をにじませたくちびる。<BR>
 悲鳴を放つために開かれたくちびる。<BR>
 眉がきつく寄せられ、つむった瞳からは涙が迫りあがりこぼれ落ちていた。<BR>
 どれひとつとっても、少年にとってセックスがただの虐待に過ぎないのだという現実が、苦く理解できた。<BR>
 そうして。<BR>
 同時に。<BR>
 少年のそんな姿に、確かに魅せられている自分がいることをも、痛いくらいに感じていたのだ。<BR>
 まぎれもなく。<BR>
 普通の勤め人とは違い裏社会に属する身には、ボスに逆らうイコール生命を賭けなければならないという現実がある。<BR>
 生命を賭けろというのなら、賭けてやろう。<BR>
 恋した者に命を賭けるなど、ロマンティック過ぎて笑えてくるが、それもまた、ひとつの生き方だろう。<BR>
 しかし、自分が恐れるのは、命を賭けることではない。<BR>
 何よりも恐ろしいのは。<BR>
 他ならぬ自分自身だ。<BR>
 そう。<BR>
 この身には、裏の社会に属して来た者の血が脈々と受け継がれている。<BR>
 ボスの手から少年を逃がせば、間違いなく、次は自分がボスと同じことを少年に強いてしまうだろう。<BR>
 救うつもりで、鎖してしまう。そうして、少年の血と肉と涙とを堪能する自分を容易く想像できた。<BR>
 自分もまた、ボスと同じ穴の狢でしかないのだと。<BR>
 少年を救ってやることすらできない自分自身を痛いほどに、感じたのだ。<BR>
 ボスは絶対である。<BR>
 そうだ。<BR>
 絶対なのだ。<BR>
 この身に流れる血を考えれば、少年に対するこの執着は、彼の絶対の遺伝の賜物となるだろう。<BR>
 趣味嗜好は、親に似るというではないか。<BR>
『お父さまが誰か、けして誰にも言ってはいけませんよ』<BR>
 そう微笑んだのは、最期のことばを告げるはかないひと。<BR>
 褐色の髪をした、エンリケの母親だった。<BR>
 全身に惨い傷を負いながら、それでも生き延びたその力強い生命力は、エンリケが五歳のときについに、失われた。<BR>
 ぼろくずのように森の奥に捨てられた血まみれの母を救ったのは、森の管理をする男だった。<BR>
 おそらくは母を害した者たちは、森の獣にでも始末をさせるつもりだったのだろう。<BR>
 東洋の血を引くのだという男が母を助けなければ、自分は産まれることはなかったろう。<BR>
 記憶を失っていた母は、死の間際にすべてを思い出し、そっと父親のことを教えてくれた。そうして、息を引き取ったのだ。<BR>
 自分はそのまま、森番の男の息子として育った。<BR>
 しかし、実の父親に対する興味は失せなかった。<BR>
 マフィアのボスであると言う、実の父親。<BR>
 どんな男なのか。<BR>
 知りたかった。<BR>
 だから。<BR>
 育ての父の死を契機に、新大陸にわたった。<BR>
 そうして、マフィアの入団試験を受けて今に至るのだ。<BR>
 
 <BR>
<BR>
<BR>
 あ、なんかヤな予感。<BR>
 目の下をピンクに染めて、アルトがオレを見上げてる。<BR>
 その後ろで歳不相応な笑いを口元に刻んでいるのが、オレの甥っ子の史月だ。<BR>
 あ、と。<BR>
 アルトは、有人って書く。オレはもっぱらアルトって呼んでるけどな。えと、戸籍上は、オレの弟になる。けど、オレとの血のつながりは、まるっとない。矢寿馬の甥っ子なんだよな。<BR>
 ふたりとも幼稚園の年中組だったりする。<BR>
 今オレがいるのは、オレ専用のリビングだ。古い城を外国から移築したって言うのが、海桐の屋敷だから、部屋だけは腐るほどある。そのひとつなんだけどさ。この部屋の奥に、まぁ、オレの勉強部屋はあるんだな。オレは、リビングにいるほうが多い。テレビを置いてるのがこの部屋って言うのもあるけどな。こっちのほうがゆったりできるし、庭側の壁が全面ガラス窓だから明るいっていうのもある。もう夕方だし、暗くなってきてるけどな。ともあれ、オレは、テレビをかけながしながら、課題を片付けてる最中だったんだ。<BR>
 来週までにレポートというか、英作文を提出しないといけないんだよなぁ。<BR>
 なんで英文科なんかに進んじまったんだか。<BR>
 潰しがききゃあしない。<BR>
 まぁ、卒業したって、就職はさせてもらえなさそうだけどな。<BR>
 この間の喧嘩の原因がそれだったし。<BR>
 あいつのパートナーって言うのが、オレの現実だからしかたないのか。<BR>
 溜め息だ。<BR>
 やりたいことでもあれば逆らえるんだろうけど、これと言ってやりたいことがないのが、オレの敗因だろう。<BR>
 どうせ草食系男子だよ。ほっといてくれ。<BR>
 おかげで、肉食系のあいつにがっつりととっ捕まっちまってる。<BR>
「ね。イッちゃん」<BR>
 にっこり笑うアルトの隣に、いつの間にかシロがお座りして、オレを見上げてる。<BR>
 しっぽが全力でぴろぴろ揺れてるのが、可愛いが。<BR>
「あ? ごめん。聞いてなかった」<BR>
 とたん、アルトの顔から笑顔が掻き消える。<BR>
 う……。<BR>
「悪かったって」
 オレはしゃがみ込んだ。<BR>
「で? もっかい言ってみな」<BR>
 チロリと史月を見ると、後頭部で腕を組んで、なんか楽しそうだ。絶対何か変なことをアルトに吹き込んだに違いない。<BR>
「あのね。チョコレートくれる?」<BR>
「はい?」<BR>
 チョコが食いたいのか?<BR>
 ローテーブルの小皿の上に、今日大学からの帰りに買って来た板チョコがあるけどさ。あれは、ビターだぜ。<BR>
 おちびには、きつくないか?<BR>
「甘いのが好きだよな」<BR>
「うん」<BR>
 満面の笑みだ。<BR>
 引き取られて来てまだ二月になんないけど、この笑顔が見れるようになるまで、かなり時間が必要だった。<BR>
 仕方ないよなぁ。<BR>
 ここに引き取られたのが、両親の死がきっかけとあっちゃ。<BR>
 アルトからこの笑顔を引き出したお手柄は、彼の横にいる、グレートピレネーズの子犬の、シロにあったりする。クリスマスプレゼントにシロを見つけたときのアルトの笑顔は、凄かった。それまで萎縮していたのが一気にほぐれたみたいな感じでさ。オレも、それを見てほっとしたんだ。<BR>
 オレは、それまでだって一応ねーさんから史月を預かったりしてたから何とかなるだろうと軽く考えてたんだけどな。実際は大違いだった。<BR>
「今はビターしきゃないから、今度買って来てやるよ」<BR>
「ちがぁう」<BR>
 アルトが首を振る。<BR>
「チョコが食いたいんだろ?」<BR>
「食べたいんじゃない。イッちゃんからほしいの」<BR>
 食べたいわけじゃないんだけど、ほしいってか?<BR>
「ごめん。わからん」<BR>
 まだ日本語が不自由なんだなぁ。外国で暮らしてたらしいから、しかたないけど。<BR>
 オレは、史月にSOSを求めた。<BR>
「イッちゃん、明日何の日?」<BR>
 アルトと同い年なのに、変に大人びた訳知り顔で史月が聞き返してくる。<BR>
「明日? あしたっつーと、二月……の………げっ」<BR>
 床に座り込む。<BR>
 いや。へたり込んだ。<BR>
「史月ぃ、おまえ、なにを教えたんだ?」<BR>
「バレンタインデーだよ」<BR>
 毎年イッちゃんがチョコレートケーキをくれるんだって。<BR>
 「イッちゃん。アルトのこと、好きだよね?」<BR>
 おずおずとわくわくの混ざり合ったような、不思議な感じで言われて、オレは複雑な気分だった。<BR>
 もちろん、嫌いなわけはない。懐いてくるちびっ子は、可愛いさ。<BR>
 けどな。<BR>
 バレンタインのチョコレートケーキって。<BR>
 毎年って。去年が最初で最後のつもりだったのに。ねーさんところで高級チョコを見つけてふらふらとチョコ作ったのが原因か。去年のバレンタインが脳裏をよぎる。家に帰ってから矢寿馬に見つかって、勘違いされて、さんざんだったんだよなぁ。
<BR>
 今年もか……。<BR>
「はいはい」<BR>
 オレは、観念してアルトのふわふわの髪の毛を撫でたのだった。<BR>
<BR>
<BR>
<BR>
 唐突に書きたくなった、早過ぎバレンタインネタ。しかも、お、落ちなかったxx
おじさんが出て締めてくれるはずだったのになぁ。
少しでも楽しんでもらえると嬉しいです。
 ただ今『ドツボ』の続きが放置状態なので、『自業自得』のほうにSSを1本アップです。

できちゃった二人の数年後くらいでしょうか。
すっかりなれ合ってます。
おそらくこの頃には養子縁組が済んでいるのではないかと思われます。
工藤的には糖度が高めのワンシーン。
この後しばらくするとおそらく樹くんはちょっとした事件に巻き込まれるはずなのですが。
単に幸せなカップルの話は面白くないと、工藤のあまのじゃくな部分が顔をのぞかせ始めております。

海桐さんが口ずさんでいる詩は、『モンテ・クリスト伯』の中に引用されている古代ギリシャだかどこかの詩人ピンダロスの詩だそうです。
海桐さんには似合わない詩です。


少しでも楽しんで頂けるといいのですが。
 今更なのに方向性が変になって来た気がする。
ちょこっとしか書けていないくせにこのていたらく。
軌道修正書ける可能性が大です。ご容赦ください。


 *****


一番いてほしくない存在だった。<BR>
 なのに。<BR>
 湊は、自分の次の行動を、信じられない思いで反芻した。<BR>
 なんで。<BR>
 いったい、どうして。<BR>
 空気を吸った反動で、肺が悲鳴を上げた。<BR>
 苦しさにからだを縮こまらせたその背中に、ザカリアスの掌が触れた。<BR>
 いつもなら、からだをこわばらせて、やり過ごすというのに。<BR>
 何が起きたのか、湊には、わからなかった。<BR>
 信じられなかった。<BR>
 湊は、ザカリアスの飽いているほうの腕に、しがみついたのだ。<BR>
「ごめんなさい」<BR>
「もう、出して」<BR>
「お願い」<BR>
「苦しい」<BR>
と、何度も繰り返しながら、泣きながら、しがみつき、そうして、抱きついた。<BR>
 誰に?<BR>
 最も嫌う相手に……だ。<BR>
 なぜ?<BR>
 どうして?<BR>
 これは、オレの、自分の意志じゃない。<BR>
 なにか、別の何かに操られているんだ。<BR>
 そう思うと、体温が下がった。<BR>
 足下が低反発マットのように不確かになる。<BR>
 ぐにゃりと、こどものいたずら書きのように、周囲の景色がすべて輪郭を崩れさせてゆく。<BR>
 嫌だ。<BR>
 嫌でたまらないのに。<BR>
 どうして、オレは、こんな行動をとっているんだ。<BR>
 目の前が薄青い紗の帳に覆われたと思った時、<BR>
 バカだよね。<BR>
 まったく。<BR>
 しばらく、眠ってなよ。<BR>
 そんな声を、聞いたと思った。<BR>

***** と、まぁ、こんな風になっちゃったのでした。な〜んか、やばげな方向性ですよね。う〜む。とりあえず、ここで寝かせてみよう。そのうちいい解決策が見つかるだろう。そう思いたい。
  サイトに更新するほどの量にはならなかったのですが、一応書けたので、こちらにアップしておきます。少しでも楽しんでもらえると嬉しいのですが。

*****
「おや」
知り合ったばかりの女性に軽く手を振って別れたクリスは、ホールのソファに腰をかけているエンリケに気づいた。

「禁煙ですよ」
と、タバコを取り上げる。

「クリスさん」
「おまえさんがタバコとアルコールとは珍しいと思ったが、火もついてないタバコとはね」

全部貰っていいよな?


テーブルの上、琥珀の液体の残るグラスの横、パッケージとライターをスラックスのポケットにねじ込む。
エンリケの目の前にどさりと腰を下ろして、奪った煙草をそのままくわえた。
クリスが指を鳴らすと制服姿のボーイがやってくる。
「お客様お煙草はお控えください」

「火はつけないつけない」

にやけてコーヒーを注文する。
ひらひらと手を振って、ボーイを見送る。

「なにがあった?」

エンリケの黒い瞳を、よく似た黒い瞳が覗き込んだ。

「べつになにも」
「ってツラじゃないだろ」

いつもすかしてるお前とは思えないよな。

「原因は、弟クン……か」

運ばれて来たコーヒーを一口飲んで、クリスが一人語散た。

ぼんやりと何かを堪えているかのように見える虚ろな一対のまなざしが、宙をさまよう。


「惚れた…………か?」
かすかなまなざしの揺らぎに、クリスは答えを知る。
「堅物ってぇ噂のあんたがねぇ。まぁ、親父殿も堅物だしな。弟クンは、そういうのに惚れられるタイプなのかねぇ」
溜め息が漏れる。
「切ないね」
確かにタバコとアルコールでもなけりゃあ、やりきれないか。

「クリスさん」

「どうした。突然あらたまって」
「お願いがあります」

「はは。怖いね」

頭を下げるエンリケに、クリスがおどける。
「私はもう、おそらく彼には近づけないでしょうから」

けれど。
あなたなら、ボスもそう嫌いはしないでしょう。

「とは言われてもねぇ………」

火のついていないタバコがクリスのくちびるの間で上下に揺れる。
父親たちが泊まっている部屋のドアの前で、クリスは肩を竦めた。

ホールには専用のコンシェルジュがデスクについて、用事を申し付けられるのを待っている。
その視線を感じながら、クリスはドアを開けた。
玄関を模したような小さな部屋が現れ、その奥に、広いリビングが広がる。豪華な飾り付けのゆったりとした空間のどのドアを開ければ、湊がいる寝室があるのかあらかじめ教えられていた。


「大丈夫……じゃないよなぁ」
嘯くような声に聞き覚えがある。
そう思ったものの、湊は、動かない。

今の自分の格好は、見られたものではないだろう意識はある。しかし、少しでも動こうものなら、おそらくは、今も自分を苛み続けている忌まわしい器具の存在を他人に知られてしまうだろう。
なぜこんなものを。

 それ以前に、どうして、あんなことを。
あの男の機嫌を量るのが難しいことは骨身に沁みてはいるものの、まさか、人前でされるだなど、考えたこともなかった。
エンリケの目がそらされることもなく、自分に向けられていた。


ひとに見せる行為じゃない。見られて嬉しいはずもない。なのに、あの男は、自分が泣き叫びながら無理矢理イかされ、あの男を受け入れる所を、さいごまで、エンリケに見させたのだ。
何が原因だったのだろう。


わからない。


わかるはずがないのだ。
あの男が考えることなど。

ピアスをつけさえすれば外に出してもらえると、あんなに我慢したというのに。

耳の痛みも、まだ苛まれている箇所の痛みも、じくじくと疼く。

「おい。湊……だったよな? このままじゃ風邪を引くぞ」


この声の主が誰だったか。

ああ。

クリスとかいったはずだ。

義理の兄という続柄になる相手を思い出す。
出会い頭の最低な挨拶にからだがこわばり、痛みが走った。そのはずみに無機物に苛まれている箇所が、脈動を激しく刻む。
「起きれるか?」
目が覚めているのは、知られているらしい。

それでも、従う気にはなれなかった。

どうしてなれるだろう。
クリスは、あの男の息子だというのに。

そうだろう?

 あんな男のこどもなのだ。

それに、クリス自身、オレにあんなことをしでかしたのだ。
あのおかげで、オレはあの後また、酷い目にあった。

何くれとなくいちゃもんをつけてオレをいじめることがあの男のストレス解消なのじゃないかと思えば、クリスとは関わらないほうがいいに決まっている。

放っておいてほしかった。
動くことを考えるだけで、ぞっとする。

「放っておいてくれ」
やっとの思いで言ったのに、

「クーラーも効いている。サマーセーターを羽織ってるだけでは風邪を引くぞ」

そう言って、クリスが肩に手をかけ引っ張った。

「ひっ」

体内の異物が角度を変える。

痛い。
痛くてたまらない。

出したい。

出してしまいたい。

けど、出したりしたら、怒られる。
怒られるのだ。


気絶寸前の朦朧となった意識の中で、


『私が戻るまで出すんじゃない』

出したりしたら、酷いぞ。

そんな風に言われたような気がする。
泥の中に埋まったような、怠くてたまらない全身を、クリスに引き起こされて、湊は、脂汗を流した。


「そら。バスを使うといい。換えの服がないなら、コンシェルジュに買って来てもらおう」

Tシャツとジーンズでいいだろう。


親父さんの趣味はフォーマルすぎるからなぁ。
「くぅっ」


抱え上げられて、異物が動く。

出したい。
痛い。
出してしまいたい。
けど、ザカリアスも怖い。
どうすればいいのか、わからなくなっていた。
「じっくりあたたまるんだぞ。夏の風邪は長引くし辛いからな」

大理石のバスタブにからだが沈んでゆく。
クリスがバスルームを出てゆくのを見るともなく見やりながら、湊は、からだのこわばりがほぐれてゆくのを感じていた。
しかし。
からだの奥から器具がおりてくるような気配に、鳥肌が立つ。
駄目だ。
泣きたい気分で、湊が力をいれる。


刹那に走った痛みに、バスタブの中で足が引き連れるように震え、滑った。

悲鳴を上げる間もなく、気がつけば湯の中でから天井が揺れるのを見上げていた。

遅まきに伸ばした手が、浴槽の縁にとどかない。

焦りが激しくなり、息が苦しくなる。
足が滑る。
どこが浴槽の縁なのか。

ただ闇雲に暴れて、自分がパニックを起こしていることにすら、湊は気づいていていなかった。

「何をやっている。バスタブで溺れ死ぬ気か」
固くこわばりついた声は、一番聞きたくない声だった。

***** とまぁ、こんな感じ。クリスくんのキャラクターが……ベランメェ調の江戸っ子イメージに変わった気がしてなりません。いえ、単なるイメージで、江戸っ子がこういうタイプかどうかは、知りません。おせっかい焼きの下町の兄ちゃん風? ま、まぁ、いいけどね。まだクリスのキャラが固まってない証拠だなぁ。

湊クン、相変わらず酷い目にあってます。な、何を入れられてるんですかぁ……と慌てつつ、ギャグにしか思えないでいるるう子なんですが。シリアスに感じてもらえるかな? 不安です。
 個人的には、その辺にあった文具用品を使われてるような気がしないでもないのですが。いや、ほら、そう言うものを常日頃おじさんが持ち歩いてるって方が気味悪い気がしますよね。ただ、ホテルの寝室に、そうころころと文具用品が転がっているのかどうかという疑問が。う~む。きっとなにかがあったんでしょう。ここシリアスに考えちゃ駄目ですよ。いや、話としては考えないと駄目でしょうが。読む方は気楽に読み飛ばしてください。危ない内容ですからねぇ、ここって。
 やはり、リアルに名前を出すことにはばかりのあるるう子なのですが。何をされているのかは、理解して頂けてますよね? 不安だなぁ
  なかなか短く完結する話をアップできないので、テンプレートを替えてみました。
一目惚れしたのでした。はい。
お話は書くつもり満々で、夢にまで見るのですが。どこまで書けるかが問題だ〜。
 アップ日 2009年11月29日
原稿用紙換算枚数 8枚

ただ、雰囲気だけの話です。
すらりとしたきれいな青年が、満月の月の闇の中で戦っているというだけの話。
これをBLかな? と一応思わせているのは、偶然居合わせた少年の存在ですね。
彼がいなければ、BLかな? もなにもありえないvv
青年の属している組織は何か?
召喚獣とはなに?
いったい誰が何の目的で?
すべては闇の中。
ただ、この後も少年は偶然に襲われて、青年が現れるというお約束が成立するだろうことは間違いありません。

mac での文書アップ練習をかねてアップしたのですが、たまに文字化けしてるような。
ご容赦ください。

少しでも楽しんでいただけるとうれしいです。
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